地雷警報としての「一度お会いしてお話をうかがいたい」

2014/8/21-1

ビジネスを前提としつつ「一度お会いしてお話をうかがいたい」という話は、比較的どこにでもあります。フリーランスだと特にそういったことがありがちではないでしょうか。

私もフリーランスになって7年目になるのですが、そういったお話を頂くことが多いです。しかし、いくつかそういった話を経験すると、それがどのように表現されるかで相手が地雷であるかどうかを推測するようになりました。「一度お会いして話をうかがいたい」といって呼び出しておいて、散々ノウハウ情報を引き出そうとしたあげくに「ありがとうございました。さようなら」とか、「次に面白い人を紹介してください」と言う人があまりに多いのです。

一方で、実際に案件を依頼するかどうかを考える状態の発注者側が、外注側を呼び出す側の気持ちもわからなくもないです。「一度お会いしたい」というのは、要は相手がどういった人物であるかのチェックを主目的としていることも多いのです。発注する以上はお金をかけるわけで、そのお金が無駄になってしまうことを可能な限り避けなければならないのです。「あなたがどういった人物かチェックさせてください」とは流石に言えないので、「一度お会いしたい」という曖昧な表現になるわけです。

一度会ってみて雰囲気等を見ながらビジネスを一緒にやるかどうかをチェックするという意味では、受注者側もそれを行っています。face to faceで会ってみると、「この相手は地雷クライアントの可能性がありそうではないか?」といった疑念が浮かぶこともあるのです。

たとえば、「○○してくれる人を探している。あなたも候補の一人なので一度お会いしたいです」と言ってくる人は避けるようにしています。そういう人って、結局は私と仕事をしたいのではなくて、単に自分にとって安くて都合が良い相手を探しているだけで、長い付き合いを継続しても良いことはなさそうです。

その他に、とにかく根拠も無く値切ろうとする人、「うちにはお金がないんです」から説明がはじまる人、予算だけは最初に決めることを求めつつもどこまで何をするのかを最初から明確にすることを極端に嫌う人など、地雷クライアントの兆候は様々なところに現れます。

最近の私は、ビジネス提案のような雰囲気をにおわせつつも何の条件も提示しようとせずに、ひたすら「一度お会いして」を繰り返す人も地雷である可能性が高いと判断して、あえて会わないようにしています。いきなり何の前触れもなく「一度お会いして」を繰り返されても困るわけです。

冷静に考えてみると、そこに何の合理性もないのですが、やはり「自然な出会い」ってシチュエーションだと思うのです。いきなり連絡して「一度お会いして」は、シチュエーションとしてあまり上手くないのです。パンを咥えて走っていたら曲がり角で異性とぶつかる、みたいなシチュエーションとまでは言いませんが、たとえば、何らかの会合などで何度か顔を合わせて、次にSNS等でやり取りを重ねて、そのうえで「じゃあ、今度飲みにでも行きましょうか」みたいな話になると、あまり邪険に扱えなくなるのが人情な気がしています。

といいつつも、そんなまわりくどいことをせずに、正面切って「こういう案件で相談があるので、一度お会いしたいです」みたいな話で来る方がスッキリしていてやりやすい場合もあります。要は、全てはケースバイケースであり、そのときに抱えている他の案件との兼ね合いなど、各種要素を加味しての判断なんですよね。

自分自身で昔よりは色々面倒なことを考えるようになったなぁと思うことが多いわけですが、それはきっとアラフォーになって頭髪も薄くなりつつあるからじゃないかと思わざるを得ない今日この頃です。

追記

コンテキストは違うのですが、この文章と似たようなことを2年半前に書いてました。何人かの方々が、はてなブックマークで指摘されているのを見て思い出しました。

当時と今の違いとしては、メール等で事前にどういった意図で「一度お会いしたい」なのかを確認し、無駄足になりそうな可能性が高ければお断りするようになったので、無駄足になることがほぼなくなったのが大きいです。なので、2年半前の文章は単なる愚痴で、今回の文章は自分が持っている基準というかノウハウ紹介であるという違いはあります。

あと、「○○してくれる人を探している。あなたも候補の一人なので一度お会いしたいです」の部分が気になっている方々がいらっしゃるようですが、最近の私に来る案件は文章執筆の依頼なので「誰でもいいからやって欲しい」と言う人ではなく、「あなたに書いて欲しい」という人の依頼を請けるようにしているという話です。既に色々と案件を抱えてしまっている一方で、時間は有限なので、どの仕事を選ぶかが凄く重要になってくるのですよね。。。

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