ネットが徐々に雑誌化してる気がする

2012/8/8-2

デジタルコンテンツの有料配信プラットフォームcakesが発表されています。 プレスリリース内で紹介されている「執筆・登場を予定している方」を見ると、ネットなどで有名な方々が多く名を連ねています。 週150円で読み放題なので、毎週ペットボトルジュース1本分で各種コンテンツ読み放題というリーズナブルな価格設定も魅力です。

これを見ての感想は「ネットが雑誌化しているなぁ」という感じです。

雨後のタケノコのように各種有料プラットフォームが登場しつつありますが、そういったプラットフォームで顧客を呼べる著者をどれだけ揃えるかが勝負になってきそうです。 そうすると、著名で売れっ子な人は複数媒体に同時並行で執筆するようになります。

複数媒体で執筆する人は、恐らく各媒体から原稿を催促されるようになります。 さらに、各媒体がそのうち「キャンペーン」とか「企画」という方向性で一発ものの記事を著名人にお願いするような事例も出てきそうです。 そして、有料媒体そのものが編集者を雇い、各記事執筆者に原稿一本○○円というような感じで原稿料を支払うような流れになりそうです。

そう考えると、それって今ある紙の「雑誌」になっていくんですよね。きっと。 ネット上で増えている各有料プラットフォームは、「雑誌社」というアナロジーで考えるというイメージです。

「雑誌社」というと大企業をイメージされる方々も多いと思いますが、多くの雑誌社は中小企業なので、編集長一人がほぼ全部をまとめて作っていて社員は数人というような雑誌社も多くあります。 多少マニアックなジャンルの雑誌社な方々に、「バブル時期に凄い大量の雑誌が増えたけどうちもその時代に開始したんですよ」という話を何度か聞いたことがあるのですが、今、ネットで起きつつあるのは、そのネット版なのかもという感じです。

Webにおける無料情報が減りそう

以前、以下のような文章を書きましたが、今でも私の考え方としての大枠は変わっていません(電子書籍に関してはWebとは多少方向性が違う話ですが、いくつか考え方として有料Webと共通の部分があるぐらいです)。

ネットの重要度が変化したり、ネットで活躍する人々が経験を積むにつれて、徐々に「ネット上で公開される情報」というものも変化していると感じています。

これまで、「ネットは紙媒体への登竜門」のような側面がありましたが、もしかしたら、「無料で公開する記事は、有料プラットフォーム参加への登竜門」というように変化していくのかも知れないと思う今日この頃です。

i.e. 無料公開ネットは「練習の場」という側面が今以上に強くなり、ある一定以上の経験や知識を獲得した執筆者は無料で読める記事公開をせずに、有料プラットフォームでの執筆が主になるという感じですかね。

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